ある日の事。
スイスの大手スーパーMigrosから割引券が満載の冊子が送られてきました(会員向け)。冊子をめくるとスーパーに直結したものだけでなく、系列会社の割引券やポイント倍増券が付いており
財務博物館(Finanz Museum)なるものの入場無料券も付いていました。
その時に初めて財務博物館なるものがチューリッヒにあると知ったのですが、何の冗談なんだ!?と最初は笑いました。しかし何だか気になるぜ…と頭の片隅にいつかは行ってみたいという思いを抱え日々を過ごしていました。
激務が落ち着いてきた時期に、ふと次の火曜日に午後半休を取ってプールに泳ぎに行こうと思い、半休申請を出しました。そしてその後に偶然にも毎週火曜日の昼間に財務博物館が無料で展示解説をしているという情報を入手。
これは…行くしかない!
実は最近、別の博物館で無料の展示解説に参加してその面白さに目覚めてしまったので、これは行っておかないといけない!という熱い想いと何故か興奮と緊張が同時にやってきました。
前日の月曜日にもそわそわ…
火曜日の午前中は早めに出社し急いで仕事を片付け博物館へ向かいました。
チケットカウンターで無料券を出していたら解説員の方が近づいてきて、地下の入り口まで案内してくれました。
中に入るとワンフロアだけの小さな展示室、ちらほら数人の人々が展示解説が始まるのを待っていました。
時間になって、最初の解説コースに通され、お決まりの「スイスドイツ語でいきますか?それともドイツ語で?」と聞かれるので、遠慮せず私がドイツ語でお願いします。(見た目がしっかり外国人の私がお願いするのだ。どや!という気持ちと、ちょっとスミマセンという気持ち。)
まずはスイスの財務関連の歴史上、必ず名前が上がるであろう重要人物や何かのマーク、建物のパネルなどを見て解説が始まりました。
最初にエッシャーという人物の名前が上がったのでアホなわたくしはですね~ 何故か一瞬騙し絵で有名なM.Cエッシャーかと思いましてね… そんな訳ないのですが。。
スイス鉄道網を発展させるために資金調達を行った起業家兼、政治家でありクレディ・スイスの前身のスイス信用銀行の創設者であるそうです。
あれ…?スイス鉄道の何かの資料で読んだような。。。しかし彼のお陰で今日の鉄道王国スイスがあるようなものらしいのに、スイス鉄道好きを言いふらしている割には知りませんでした。。口先だけという感じが情けない。
その後はお金ができた歴史、オランダが世界初の株式会社を設立に至った話、活版印刷が発明された事の重要性、どれほど現在の私達の暮らしの基になっているか…うんぬん。
こういう話、ドイツのテレビ番組や自然科学雑誌、スイスの他の博物館でも見たのですが結構出てくるいつものパターンです。オランダの株式会社とグーテンベルクの活版印刷の歴史はセット。
だからどうした、と言われたらそこまでなのですがどこでも繰り返し見聞きすると忘れないものですね。
そして話は解説に戻り、20世紀前半には何の保証もなく大人子供皆が工場で働いていた白黒映像、その後は戦後の長期休暇文化の発展。
解説員さんが「休暇文化も戦後のものなので実は新しい文化なのですね。」と仰るので、は!と驚きました。確かに…まるでヨーロッパでは当たり前の様に感じた休暇制度や、労働者に対する人権意識や権利意識も実は新しいものなのか…と。
また長くなりそうなので続きはその②へ。
---------------------
お!この記事役にたった!+ポチっとしても良いかな、という方は以下のバナーをポチっとしてもらえるととっても嬉しいです。