気まぐれでイタリアンレストランに入ったんです。
入った時間が早かったのか、お客さんが他にいませんでした。
あら、がらんとしてるわ…。と思いつつ、中に入るとウェイトレスさんに
お庭に席もあるけど、どうしますか?と言われたので、喜んでお庭に向かいました。
座ってみると、思いのほか風が吹くし、大きな木々の間のせいか日陰でちょっと寒い。
でも座ってしまったしな…木々と古い造りの家々の間に囲まれたお庭席は、なかなか悪くない。ちょっと隠れているのが面白いかも、と。
メニューが来るのを待っていたら、お庭席のすぐ近くがキッチンだったようで、
キッチン扉の窓からジャムおじさんみたいなコックさんがひょっこり顔を出して、
「今日、すごく良い魚があるんだ、食べたい?」と聞かれて、
うーん、どうしようかな、と思っていたら「ほら、これ(と魚を見せてくる)。
新鮮なんだよ。」と。
カルボナーラ食べよう、と思ってたのですが、妙に魚介類も食べたいような…
どうしようかなぁ…と思っていたので、結局その魚を頼むことしました。
ウェイトレスさんがメニューを持ってきてくれて、私は既に魚を注文済みというのを知っていたそうで、ニッコリ微笑みながら、何を注文するかはもう知っているよ、と
言われました。
魚を待つこと10分ほど…あ、やっぱり寒い、中に入ろうかな、と思っていたらブイーンという音が聞こえました。
近くの古民家っぽい家のガレージが空いて、その中に高級車が入っていく。
ガレージも見た目は古そうなのに、扉が自動で開くと赤いランプが光った高級車が中に吸い込まれるように入っていきました。
その後も、映画に出てくるような別の高級車が流れるように入っていきました。
ガレージの外見は古いのに、中を見たら真っ白なきれいな壁で、不思議なランプが点滅してるんです。そこに高級車達が吸い込まれていく。
そのハイテクちっくな隠れガレージを見てると、あの中に秘密の操縦室みたいなのありそう…と思ってしまいました。洋画に出てくるみたいなね、洞窟の中に実はすごいハイテク操縦室みたいなのがあるような。こういうのってジェームスボンドの映画で見たのかも?
本当にスイスは外に見せない文化なようで、外見はパッとしないのに中がちゃんとしている、または想像以上、でそのギャップに驚かされることが多々あります。
古民家、木々の間のお庭席、キッチンからひょっこり顔を出したジャムおじさんコックさん、のふんわり雰囲気とあのハイテク具合が両極端だったので、ちょっと不思議な気分になりました。
そして、
何が現実なんだ??見たいな気分になりながら、錆びたオンボロ自転車に乗って帰ったのでした。